ビジネスの面白さを知ったのは、子供の頃だった|賀正紙と焼きトウモロコシの思い出

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ビジネスの面白さを知ったのは、いつ頃だったのだろう。

そんなことを考えていたら、小学生と高校生の頃の出来事を思い出しました。

一つは、子供クラブの新年会。

もう一つは、高原の観光地で焼きトウモロコシを売ったアルバイトです。

今になって振り返ると、そこにはお金を生み出す工夫や、売り方を変える面白さ、そして人に協力してもらうことの大切さがありました。

もちろん当時は、マーケティングだとかマネタイズだとか、そんな言葉を意識していたわけではありません。

ただ、目の前のことを少しでも良くしたかった。

そんな昔話を二つ、ご紹介したいと思います。

小学6年生、子供クラブの新年会

小学6年生のとき、地域の子供クラブのまとめ役になりました。

当時、子供クラブでは毎年お正月に、子供たちだけの新年会を開いていました。

とはいえ、予算に余裕があるわけではありません。

米や野菜は地域の方々から寄付していただき、子供クラブに入っている子の家庭で料理を作ってもらう。

そんな地域の協力によって成り立っている新年会でした。

現金収入といえば、子供たちが作る賀正紙くらいです。

ガリ版で印刷された門松の絵に、みんなで色を塗る。

それを地域の家庭に1枚100円で購入していただいていました。

ところが、購入していただける家庭の数は、だいたい決まっています。

子供の数が多ければ、その分、一人当たりのお菓子や飲み物は少なくなってしまいます。

子供にとって、お正月のお菓子は大きな楽しみです。

何とかもう少し増やせないものかと考えました。

「お正月は、どこの地域にも来るじゃないか」

そこで思いついたのが、これまで賀正紙を購入していただいていなかった地域にも足を延ばすことでした。

考えてみれば、お正月は自分たちの地域だけに来るわけではありません。

隣の地域にも、同じようにお正月はやって来ます。

だったら、そちらでも購入してもらえるかもしれない。

まず学校へ行き、先生にお願いして賀正紙の原稿をガリ版で印刷してもらいました。

それから急いで色を塗り、準備を整えました。

ただ、一つ気になることがありました。

知らない地域の子供が突然訪ねてきて、

「賀正紙を買ってください」

と言っても、なかなか相手にしてもらえないかもしれません。

そこで、その地域に住んでいる子供たちにも協力してもらうことにしました。

新年会にも誘うから、一緒に回ってもらえないか。

そんな話をして、地域の子供たちと一緒に賀正紙を販売しました。

結果は、予想以上でした。

その年の新年会は、いつもより少し豪勢になりました。

豪勢といっても、お菓子や飲み物が少し増えた程度です(笑)。

でも、当時の子供たちにとっては、それがとてもうれしかったのです。

そして、この出来事をきっかけに、その後の子供クラブでも他の地域を回るようになりました。

今になって気づく、あのときの工夫

当時は、ただ新年会を楽しくしたかっただけでした。

でも、今になって振り返ると、いくつかの工夫があったように思います。

限られたお金をどう分けるかだけでなく、収入を増やす方法を考えたこと。

これまで対象にしていなかった地域へ足を延ばしたこと。

そして、その地域の子供たちにも参加してもらったこと。

今なら販売地域の拡大や協力関係づくりなどと言うのかもしれません。

でも当時の目的は、もっと単純でした。

「みんなで、もう少し楽しい新年会を開きたい」

それだけだったのです。

高校2年生、焼きトウモロコシのアルバイト

それから数年後、高校2年生の夏休みのことです。

高原の観光地で、焼きトウモロコシを販売するアルバイトをしました。

初日は店主から、トウモロコシの焼き方やタレの作り方を教えてもらいました。

作業自体はそれほど難しくなく、すぐに覚えることができました。

2日目からは、一人で準備をして、焼いて、販売するようになりました。

ちょうどお盆の時期だったので、観光客も多く、次第に忙しくなってきました。

そこで気づいたことがありました。

訪れるお客さんの多くが、東京方面から来ているようだったのです。

そして3日目、ふと思いつきました。

「焼いたトウモロコシだけでなく、生のトウモロコシも売ったらどうだろう?」

焼きトウモロコシは、その場で食べるものです。

でも、生のトウモロコシなら、持ち帰って家で食べることもできます。

しかも、こちらは焼く時間がかかりません。

店主に相談してみると、承諾してくれました。

そこで、焼きトウモロコシと生のトウモロコシの両方を販売することにしました。

売り方を変えたら、忙しくなった

これが思いのほか好評でした。

焼きトウモロコシも、生のトウモロコシも、よく売れるようになりました。

ところが、うれしい反面、別の問題が出てきました。

忙しくなりすぎたのです。

昼頃になると、食事を取る時間もなくなりそうでした。

そんなとき、たまたま友人が立ち寄りました。

そこで、店番を手伝ってもらえないかと頼みました。

もちろん、ただ働きをお願いしたわけではありません。

自分がもらうアルバイト料の範囲内で、友人にも報酬を払うことにしました。

自分の取り分は減ります。

でも、一人で全部やろうとしていたら、休憩も取れず、販売にも支障が出ていたかもしれません。

人に協力してもらうことで、自分一人では対応しきれなかった仕事を続けることができました。

自分一人で頑張ることだけが正解ではない

このアルバイトで印象に残っているのは、トウモロコシがたくさん売れたことだけではありません。

人に仕事をお願いすることで、自分一人ではできないことができるようになる。

その面白さを感じたことです。

それまでは、仕事というのは自分が頑張ってこなすものだと思っていたのかもしれません。

でも、仕事が増えれば、一人でできることには限界があります。

誰かに協力してもらう。

そのためには、相手にもきちんと報酬を払う。

自分の収入が少し減ったとしても、全体として仕事がうまく回る方がいい場合もあります。

今なら、人を雇うことや仕事を分担することの基本的な考え方につながる経験だったと思います。

もっとも、そのときはそんな難しいことを考えていたわけではありません。

単純に、忙しくて困っていたのです(笑)。

二つの経験に共通していたこと

小学校6年生の賀正紙と、高校2年生の焼きトウモロコシ。

まったく違う出来事ですが、今振り返ると共通するものがあります。

それは、今ある条件の中で、別のやり方を考えてみたことです。

新年会のお菓子が足りなければ、分け方を工夫するだけでなく、収入を増やす方法を考える。

焼きトウモロコシが売れているなら、別の売り方も試してみる。

そして、一人では手が回らなくなったら、誰かに協力してもらう。

どれも、今になってみれば特別な発想ではありません。

ただ、実際にやってみたことで、結果が変わる面白さを知りました。

思いついたことが、必ず成功するわけではありません。

それでも、やってみなければ分からないことがあります。

ビジネスの面白さは、身近なところにあった

その後、社会人になり、仕事や経営に関わるようになりました。

もちろん、実際のビジネスは、子供の頃の経験ほど単純ではありません。

お金を増やすことにも、人を雇うことにも、責任が伴います。

思うようにいかないことも、たくさんあります。

それでも、あの頃に感じた、

「こうしたら、もっと良くなるんじゃないか?」

という気持ちは、今もどこかに残っているように思います。

小学生の頃は、新年会のお菓子を増やしたかった。

高校生の頃は、トウモロコシをもっと売りたかった。

そして、忙しくなったら友人に手伝ってもらった。

振り返ってみると、私がビジネスの面白さを初めて感じたのは、案外そんな身近な出来事だったのかもしれません。

ビジネスの始まりは、難しい理論よりも「こうしたらどうだろう?」という小さな疑問なのかもしれませんね。

次は何を読みますか?

せっかくなので、いつもなら選ばない記事を1つ。

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