
同じ業界、同じ設備、同じ人数でも、成長する会社と停滞する会社があります。その差は何でしょうか。設備投資でしょうか。経営戦略でしょうか。もちろんそれもあります。しかし実際に現場を見ると、長期的な差を生むのは「組織文化」であることが少なくありません。今回は私が海外工場で経験した実例も交えながら、改善する会社と停滞する会社の違いを考えます。
改善する会社は「人」をコストではなく資産と考える
改善活動というと、
- 品質向上
- コスト削減
- 効率改善
が注目されます。
しかし本当に改善する会社は、その前に「人」を大切にします。
なぜなら改善を生み出すのは設備でもAIでもなく、
現場で働く人だから
です。
赴任前の現場で感じた違和感
私がマレーシアへ赴任する前、その会社では外国人労働者への待遇が決して良いとは言えませんでした。
- 昇給はほとんどない
- 人事考課は形だけ
- 昇格制度もない
一方で、日本人幹部はこう言いました。
「外国人労働者が頑張っているから生産できている」
私はその言葉に違和感を覚えました。
会社を支えていると認識しているにも関わらず、その努力や成果が評価されない。
そこには矛盾がありました。
私は評価制度を変える決断をした
当時、最低賃金法施行のタイミングもあり、私はローカル社員の反発や不満が出ることを覚悟しながら、
ローカル社員と外国人労働者を公平に評価する制度
へ変更することにしました。
理由は単純です。
実際に仕事をし、
成果を出し、
会社へ貢献している人が、
正当に評価されるべきだと思ったからです。
国籍ではなく、
肩書きでもなく、
成果を見る。
私はそれが当然だと思いました。
国が違うだけで扱いが変わるのはおかしい
私はこう考えていました。
もし将来、その会社が外国人労働者の母国へ進出するとしたらどうでしょう。
現在働いている外国人労働者の中には、
現地法人の管理職として活躍する人もいるかもしれません。
能力がある人は、
環境が変わればリーダーになる可能性があります。
にも関わらず、
「国が違うから待遇も違う」
という考え方には、私は強い違和感を持っていました。
能力や努力ではなく、
属性で評価が決まる組織は、
長期的には停滞します。
後になって、この判断は間違っていなかったと分かった
公平な評価制度を導入すると、
最初は当然ながら反発もありました。
しかし時間が経つにつれ、
少しずつ変化が現れます。
- 提案が増える
- 責任感が生まれる
- 改善活動へ参加する
- リーダー意識が育つ
そして何より、
「頑張れば評価される」
という信頼が生まれました。
後になって振り返ると、この決断は間違っていなかったと思っています。
停滞する会社に共通する3つの特徴
① 評価基準が曖昧
何を頑張れば評価されるのか分からない組織では、人は挑戦しません。
② 改善より現状維持が優先される
新しい提案が否定される組織では、やがて誰も提案しなくなります。
③ 「公平感」がない
給与だけではありません。
評価や昇進の公平感が失われると、組織への信頼も失われます。
改善する会社は「心理的安全性」と「公平性」を持っている
改善する組織には共通点があります。
- 意見を言える
- 挑戦できる
- 失敗から学べる
- 公平に評価される
つまり、
「努力や成果が報われる」
という信頼です。
AI時代になっても、この部分だけは変わらないでしょう。
AIは分析できます。
しかし人の信頼関係や公平感までは作れません。
まとめ|会社を成長させるのは制度より文化かもしれない
- 改善文化は公平な評価から始まる
- 人を資産と考える会社は成長する
- 属性ではなく成果を見る組織が強い
- 心理的安全性と公平性が改善を生む
- 長期的には組織文化が競争力になる
設備投資やAI導入は真似できます。
しかし、
「頑張れば報われる」
という文化は簡単には作れません。
改善する会社と停滞する会社の差は、案外そこにあるのかもしれません。
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