
「PDCAは古い」「これからはOODAだ」――そんな言葉を耳にすることが増えました。確かに変化の激しいAI時代では、従来の計画重視だけでは対応できない場面があります。しかし本当にPDCAは不要になったのでしょうか。今回はPDCAとOODAの違い、そしてAI時代に必要なのはどちらなのかを考えてみます。
PDCAは古いと言われる理由
PDCAとは、
- P(Plan):計画
- D(Do):実行
- C(Check):評価
- A(Action):改善
このサイクルを回しながら改善を続ける考え方です。
製造業や品質管理では長年使われ、日本企業の成長を支えてきました。
しかし現在、「PDCAは遅い」と言われることがあります。
理由は単純です。
計画(Plan)を立てている間に、状況そのものが変わってしまう。
AI、SNS、国際情勢、市場変化。
数年前なら数年単位だった変化が、今では数ヶ月、時には数日で起こります。
完璧な計画を作ろうとしているうちに、前提条件が変わる。
これがPDCA批判の背景です。
そこで注目されたOODAとは何か
OODA(ウーダ)とは、アメリカ空軍の戦略理論から生まれた意思決定モデルです。
- Observe:観察する
- Orient:状況を理解する
- Decide:判断する
- Act:行動する
PDCAとの大きな違いは、「計画」が最初にないことです。
まず現状を見る。
状況を理解する。
すぐ判断する。
そして行動する。
つまり、
OODAは「変化への対応速度」を重視した考え方
と言えます。
動物園の例で見るPDCAとOODAの違い
前回紹介した「家族で動物園へ行く例」で考えてみます。
PDCAの場合
- 10時到着を計画
- 9時出発
- 渋滞発生を確認
- 改善策を考える
計画中心です。
OODAの場合
- 渋滞を観察
- 連休だから混雑していると理解
- 目的地変更を判断
- 別の公園へ行動
計画変更へのスピードが圧倒的に速い。
つまり、
- PDCA → 正確な改善が得意
- OODA → 素早い対応が得意
という違いがあります。
AI時代に必要なのはPDCAかOODAか
結論から言えば、
AI時代に必要なのは「PDCAかOODAか」ではなく、両方です。
例えばAIツール導入。
導入初期
新しいAIが登場したら、
まず試す。
観察する。
効果を見る。
これはOODAです。
運用段階
効果が確認できたら、
標準化し、
改善し、
継続運用する。
これはPDCAです。
つまり、
- 未知への挑戦 → OODA
- 仕組み化と改善 → PDCA
になります。
私がマレーシアで経験した改善活動はどちらだったのか
以前の記事で紹介した、マレーシア工場でのPDCA導入。
実は振り返ると、
最初の「改善テーマを考えさせる」「社員に提案させる」段階はOODAに近かったと思います。
そして改善案を評価し、
仕組みにし、
教育へ落とし込み、
継続改善へ繋げた部分はPDCAでした。
組織は、
スピードだけでも、
計画だけでも動きません。
考え、
試し、
失敗し、
改善し、
共有する。
その積み重ねが組織文化になります。
AI時代でも最後に差がつくのは「考える力」
AIが提案を出し、
分析し、
文章を書き、
設計まで支援する時代になりました。
しかし、
- 何を改善すべきか
- 何を試すべきか
- どの結果を評価するか
最終判断は人間が行います。
PDCAもOODAも本質は同じです。
「現状を疑い、より良くするために考え続けること」
AI時代だからこそ、その力がますます重要になるのではないでしょうか。



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