
システム設計を行う際、技術や言語よりも前に考えるべきことがあります。それは「何がどのように流れているのか」という視点です。私が駆け出しの頃から意識してきたのが「5つの流れ」です。物流、商流、人流、情流、時流。この5つを整理することで、システムの本質が見えてきます。
システム設計は「流れ」を捉えることから始まる
システム設計というと、画面設計やデータベース設計、プログラム構造を思い浮かべるかもしれません。しかしそれらはあくまで「結果」であり、本質ではありません。
本当に重要なのは、そのシステムの中で何が動いているのか、何が流れているのかを理解することです。
どんなシステムであっても、必ず何らかの「流れ」が存在します。そしてその流れを正しく捉えられない限り、どれだけ優れた技術を使っても、良いシステムにはなりません。
5つの流れとは何か
私が長年意識してきたのは、次の5つの流れです。
- 物流(モノの流れ)
- 商流(取引・伝票の流れ)
- 人流(人の動き・作業)
- 情流(情報の流れ)
- 時流(時間と変化の流れ)
これらはそれぞれ独立しているように見えますが、実際にはすべてが相互に関係しています。
例えば、モノが動けば必ず取引が発生し、人が関わり、情報が記録され、時間の中で処理されていきます。
この関係性を理解することが、システム設計の出発点になります。
なぜ「流れ」で考えるのか
システムは静的なものではありません。常に動き続けるものです。
しかし設計の現場では、どうしても画面や帳票といった「静止したもの」に意識が向きがちです。
その結果、部分的には正しくても、全体としてはうまく機能しないシステムが出来上がってしまいます。
流れで捉えることで、初めて全体像が見えてきます。
どこから始まり、どこで分岐し、どこで終わるのか。どこに無駄があり、どこにボトルネックがあるのか。
それを可視化することが、設計の質を大きく左右します。
5つの流れは設計の思考フレームである
この5つの流れは単なる分類ではありません。
設計を考えるための「思考フレーム」です。
例えば物流だけを見ていても、商流がズレていれば正しいシステムにはなりません。人流を無視すれば、現場で使えないシステムになります。
情流を見落とせば情報の取りこぼしが起き、時流を考えなければ運用に耐えられません。
つまり、この5つを同時に考えることで、初めて実用的なシステム設計が可能になります。
最後に
システム設計は技術だけで決まるものではありません。
むしろ重要なのは、対象となる業務や世界をどれだけ深く理解できるかです。
物流、商流、人流、情流、時流。
この5つの流れを意識することで、見えてくるものは大きく変わります。
次回からは、それぞれの流れについてもう少し具体的に掘り下げていきます。




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